〜〜〜静態保存蒸機 修復作業の全貌〜〜〜
直方市石炭記念館に展示中のコッペル32号機は、宮田町(現・宮若市)にあった旧・貝島炭鉱で活躍していたタンク機関車です。
閉山後、当地にて静態保存・展示していましたが、経年により各部に傷みが目立つようになった事から、修復作業を行う事となりました。
修復される前のコッペル32号機。さて、これがどのように「蘇る」のでしょうか・・・?
日付(期間) | 作業内容(トピックス) |
8月17日〜9月4日 | 看板撤去:JR線から見えていた、お馴染み「直方市石炭記念館」の 看板が外されました(8月17日)。 足場設置:修復工事に先立ち、仮設足場を設置しました。 修復完了まで、コッペルは雲隠れ・・・?(9月4日) 番外編−1:平成筑豊鉄道400形「炭都物語号」 JR九州キハ47形 |
9月11日〜12日 | いよいよ、修復作業に着手です @ケレン作業:塗膜/錆などをグラインダーで削りとります AFRP貼付け:大きな凹みや穴の開いた部分を塞ぎます FRP材をあてがい、エポキシ樹脂で固めます Bパテ盛り :凹み部分を平滑にするため、パテを盛ります 盛り付け⇒乾燥⇒表面研磨という工程です C錆止め塗布:地金が露出した状態だと、直ぐに錆びてしまう為、 削り出した部分は錆止めを塗布していきます |
9月13日〜14日 | 塗装面修復:ケレン⇒FRP⇒パテ⇒錆止め塗布 ボイラー上部(煙突、ドーム周り)の修復を進めました 部品交換 :側面タンクと車体を繋ぐ「ブラケット」の交換を行いました 新たに作った部品を、溶接により固定しました |
9月15日〜18日 | 塗装面修復:ケレン⇒FRP⇒パテ⇒錆止め塗布 左側面タンク部分の修復を進めました(9月15日) 左側キャブ部分の修復にかかりました(9月18日) |
9月19日〜22日 | 塗装面修復:ケレン⇒FRP⇒パテ⇒錆止め塗布 キャブ(運転室)左側の修復を進めました(9月19日) ロッド部分の錆止め塗布を行いました(9月20日) 左タンク及びキャブの修復を進めました(9月22日) 番外編−2:C11形蒸気機関車 131号機(直方市石炭記念館) |
9月23日〜24日 | 塗装面修復:ケレン⇒FRP⇒パテ⇒錆止め塗布 ヘッドライト/キャブ背面の修復を進めました(9月23日) キャブ背面/左側タンクの修復を進めました(9月24日) 石炭運搬車の修復に取り掛かりました(9月24日) |
9月25日〜26日 | 塗装面修復:ケレン⇒FRP⇒パテ⇒錆止め塗布 キャブ周辺/ボイラー右サイドの修復を進めました 石炭運搬車の修復を進めました 番外編−3:平成筑豊鉄道400形(一般色) 415系電車(鋼製車、100番台?) 813系電車 福北ゆたか線カラー DE10+マヤ34「マヤ検」 |
9月28日〜10月2日 | 塗装面修復:ケレン⇒FRP⇒パテ⇒錆止め塗布 キャブ/ボイラー右サイドの修復を進めました 石炭運搬車の修復を進めました |
10月3日〜4日 | 塗装面修復:ケレン⇒FRP⇒パテ⇒錆止め塗布 ボイラー右サイドの修復を進めました 屋根とキャブ内部の修復に着手しました |
10月8日〜10日 | 塗装面修復:ケレン⇒FRP⇒パテ⇒錆止め塗布 屋根部分と下回りの修復を進めました(10月8日) 煙室扉とボイラー前部の修復を進めました(10月10日) 番外編−4:C11形131号機 Part.2(直方市石炭記念館) |
10月11日〜12日 | 側板貼替え:切除⇒側板溶接⇒錆止め塗布 右サイドタンクの側板を貼り替えました(10月11日) 台座取付け:溶接(車番プレート台座/社章プレート) 前面及び右側面について作業しました(10月11日〜12日) 塗装面修復:ケレン⇒FRP⇒パテ⇒錆止め塗布 下回りの修復を進めました(10月12日) |
10月13日〜14日 | 側板貼替え:接合部分の「継ぎ目消し」、FRP⇒樹脂⇒パテ盛り 右サイドタンク側板貼り替え部の補修を進めました ヘッドライト :レンズ固定座の製作、FRP⇒樹脂 ヘッドライトの復元作業を進めました 配管パーツ:銅管加工、磨き出し 空気作用管のパーツ製作を進めました |
10月15日〜16日 | ヘッドライト修復:パテ盛り⇒面研ぎ⇒錆止め塗布 腐食部が形状復元されました 塗装面修復:ケレン⇒錆止め塗布 下回りの修復を進めました 番外編−5:直方市石炭記念館内の色紙 |
10月20日〜21日 | 塗装面修復:ケレン作業、FRP⇒樹脂⇒パテ盛り、錆止め塗布 デッキ/ランボード/キャブ内などの作業を行いました 番外編−6:783系 特急「かいおう」 817系2000番台 平成筑豊鉄道400形「ちくまる」号(青バージョン) |
10月22日〜24日 | 塗装面修復:ケレン作業、板金パテ、錆止め、黒塗装(タッチアップ) いよいよ、本塗装(黒色)に着手しました |
10月25日〜26日 | 銘板取り付け:旧・貝島炭鉱の社銘板を溶接にて取付ました(10月25日) 塗装面修復:タッチアップ塗装を進めました(10月26日) |
10月27日〜28日 | 部品補修:車番プレート取付穴加工/真鍮部の磨き出し(10月27日) 車体修正:ヘッドライト取り付け台座の歪み修正(10月27日) 塗装面修復:下回りのタッチアップ塗装(10月28日) |
10月29日〜30日 | 塗装面修復:タッチアップ⇒吹付け塗装を開始(10月29日〜) ロッド/クランク部分の銀塗装を開始(10月30日) |
10月31日 | 細部仕上げ:貨車に社章・形式車番などの表記を入れました 機関車に車番プレートや配管などを取り付けました 足場の撤去:仮設足場を撤去、全景が姿を現しました |
11月27日 | お披露目式 |
そして・・・
約2ヶ月に渡る修復作業により、見事によみがえったコッペル32号機。
修復前の画像(一番上)と比べてみて下さい。
ヘッドライトもバッチリ点灯、今にも動き出さんばかりです!
少しローアングルから撮影してみました。 当初、どんよりとした曇り空だったのですが、ちょうど この時、少しだけ晴れ間が出ました。 |
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誇らしげに点灯するヘッドライトと、金色に輝く「32」の ナンバープレート。 ちょっとアーティスティック(?)に撮ってみました(笑) |
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JR線側からは、このように見えます。 |